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全236種類以上の伝統工芸品!品目ごとの特徴や厳選体験ツアーをご紹介

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更新日:2022/01/01
Higaeri 編集部

全国各地に根付いている日本の伝統工芸は、国内だけではなく、海外の多くのファンから愛されるほど人気があります。代表的な伝統工芸には、匠の技術を駆使して作られる漆器や陶磁器などが挙げられ、製作工程を実際に体験できるツアーも用意されています。


本記事では、伝統工芸の主な品目の特徴や、伝統の歴史に肌で触れられる体験ツアーを紹介していきますので、興味のある方は参考にしてください。

そもそも伝統工芸の定義って何?

「工芸」という言葉には、「美術的な生産品を巧みな技術を使って作る」という意味があり、完成した作品を「工芸品」と呼びます。

伝統工芸とは、古い時代から現代にわたり、高度な技術を守り続けた工芸を指し、伝統工芸によって作られた作品が「伝統工芸品」とされています!

1974年、日本では伝統工芸を長きにわたって守る法律「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」が制定されました。法律に基づき、経済産業大臣が認定した工芸品は「伝統的工芸品」と呼ばれるようになり、この法律がきっかけで、全国各地に伝統工芸が根付いていったのです。

伝統的工芸品と認められる条件とは?

古くから伝わる技法と技術で作られた「伝統工芸品」には明確な定義はありませんが、「伝統的工芸品」には細かく条件が設定されています。 伝統的工芸品は、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」に基づいて、経済産業大臣が指定した場合に認められます。

条件を分かりやすく説明すると以下のようになります。

  1. 生活に潤い、豊かさを与えられる工芸品
  2. 機械による大量生産ではなく、職人の手作りで作られた味のある工芸品
  3. 誕生から100年以上の歴史があり、現代に伝統的な技術と技法がそのまま受け継がれた工芸
  4. 工芸品の主要部分が、100年以上前から使われてきた原材料でつくられている
  5. 一定の地域で、一定以上の規模を形成して作られた工芸品
伝統的工芸品には100年以上の歴史があり、職人の高度な技術と当時から使われてきた原材料によって、高品質で味わいのある作品が誕生しているのです!


伝統的工芸品は全236種類以上あり!
令和3年1月時点で、伝統的工芸品は全国に236種類以上あるといわれています!

伝統的工芸品を管理しているのは、「一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会」という機関です。 一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会は、伝統的工芸品産業の復興を図ることを目的として立ち上げられた機関であり、国・地方公共団体・産地組合/団体などが協力し合い、財団法人として日本の歴史ある伝統工芸品を管理しています。


伝統的工芸品はマークで見分けることができる!
似たような形状やデザインの陶磁器が並んでいた場合、工芸品・伝統工芸品・伝統的工芸品を見分けられない人もいるでしょう。

法律で認められた伝統的工芸品は、経済産業大臣が指定した、以下のシンボルマーク(伝統証紙)を貼ることが許可されています。


シンボルマークが付いた伝統的工芸品は、経済産業大臣が指定した工芸の「技術」「技法」「原材料」「産地検定」のすべての条件を満たして作られています。 旅行先のお土産や大切な人の贈り物選びで、「普通の工芸品よりも、伝統的工芸品にこだわりたい!」という人は、伝統証紙の有無をチェックしてみてください!

伝統工芸の代表的な品目をわかりやすく紹介

伝統工芸は、私たちが生まれる前から民衆の生活の中で受け継がれてきた、歴史あるものです。 職人の技術と伝統的な技法で作られた家具や食器、衣服などは、生活から切って離せない存在となっています!

伝統工芸は、大きく分けて以下のように分類されます。

①漆器
②陶磁器
③染物・織物
④工芸材料・工芸用具
⑤木工品・竹工品
⑥金工品
⑦仏壇・仏具
⑧和紙
⑨文具
⑩石工品
⑪貴石細工
⑫人形・こけし
⑬その他繊維品
⑭その他工芸品

伝統工芸についてさらに知っていただけるように、上記の中から代表的な品目と特徴をわかりやすく紹介していきます。


漆器
日本を代表する伝統工芸の漆器は、「うるし」の皮から採れる汁を着色した「漆」を使って作られたものです。

アルコール・塩分・熱など強いことから、漆器は主に食器に使われており、私たちの生活の中でもとても身近な存在となっています。 また、耐水性・防腐性・防虫効果を備えていることから、建造物の床や天井に使われています。 日本で使用される漆の多くは外国産ですが、伝統的な建造物や文化財には日本の漆が使用されているため、維持するために国内での漆の生産が欠かせないものとなっています。


陶磁器
焼き物と呼ばれることも多い陶磁器は、陶器と磁器に分けられます。

陶器とは、有色粘土を造形して素焼きし、釉薬を施して再度焼き上げて作られる器の種類のことです。土の色味や肌触りによって独特な仕上がりになり、味のある食器や器が作られています。

磁器は、「石もの」と呼ばれる長石・珪石と、粘土を混ぜ合わせて作られる器の種類です。陶器よりもガラス質で、吸水性が低いことからコーヒーカップや湯呑などに使われています。


染物・織物
染物・織物は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に織り込んで作られた布地のことです。 日本では、絹・綿・毛・麻の4種類の糸を使って織物が作られており、糸を着色してから織るため、「先染め」とも呼ばれています。 織り方によって、羽二重(はぶたえ)や紬(つむぎ)、縮緬(ちりめん)などの種類に分けられ、伝統的な技法によって着物など日本の伝統的な衣服が誕生しています。


木工品
国土の7割が森林を占める日本では、1本の木をくり抜いて造形された木工品が、身の回りのさまざまなものに使われてきました。 食器や調理道具、家具などに加えて、歴史的建造物から一般的な家屋まで、古くから日本の生活に欠かせない工芸品とされているのが木工品です。


金工品
金工品は、さまざまな種類の金属を加工して作られた工芸品 です。 調理器具や装飾品、日常的に使われる道具など、さまざまな物の部品に金工品は使われており、以下のような金属類が使用されています。

  • 玉鋼(たまはがね)
  • 錫(すず)
  • ステンレス
  • アルミニウム
  • プラチナ
  • チタンなど
金工品の技法は、金属を溶かして鋳型に流し込んで造形する鋳金(ちゅうきん)や、金属の板を熱して叩く鎚金(ついきん)などがあり、南部鉄器や高岡銅器などは海外からも高い評価を受けています。


仏壇・仏具
日本の文化を象徴する仏壇と仏具も、古くから伝わる伝統工芸品です。

先祖や本尊を祀る仏壇はさまざまな技法でつくられており、金仏壇の場合は、白木に金箔・金粉・漆などを施した後、彫刻や蒔絵などの装飾を経て作られています。 親子何代にもわたって受け継がれる仏壇は、伝統工芸品の中でも非常に高価な物です。


和紙
日本が世界に誇る伝統工芸品の「和紙」は、楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)という3種類の原料で作られています。

和紙は、楮を蒸して皮を剥ぎ、皮をアルカリで煮た後に叩くことで完成し、楮の産地によって違った硬度や触り心地に仕上がるのが特徴です。 和室が多かった時代は、襖や障子に和紙が使われることが多く、現在ではインテリアやランプシェードなどに使われています。


文具
ビジネスで使われている道具の中にも、さまざまな伝統工芸品があります。 たとえば、蒔絵を施した万年筆や木工で作られた味のあるボールペン、和紙で作られた便箋や封筒など、意識して探してみるとたくさん見つかるものです。 伝統工芸品の文具は、他人とはちょっと違った物を使いたい場合や、デスクまわりの雰囲気を変えたい場合などにオススメされます。


石工品
石工品とは、人の手が加わっていない自然で採れた石を、建造物や生活用品向けに加工したもののことです。 自然石は耐久性があり、尚且、見た目が美しいことから、石垣・庭石、墓石などに使われています。 かつては、宗教的に自然石をそのまま崇拝した歴史もあり、石工によって造られた石仏や石塔なども多く存在します。

伝統工芸に触れられる体験ツアーに参加してみよう!

伝統工芸に興味をもった人は、工芸品を実際につくれる体験ツアーに参加してみてはいかがでしょうか。

旅行会社やショップが企画する体験ツアーなら、歴史ある工房の中で職人の技術や技法を間近で見られる他、参加者のオリジナル工芸品を作って持ち帰ることが可能です! 全国各地に根付いた伝統工芸の歴史と文化に「肌で触れたい!」という人に向けて、体験ツアーの内容や申込方法などを紹介していきます。


まるで職人になったかのような感覚を味わえる!
体験ツアーは、伝統工芸を展開するお店や工房で、ガイドや職人の指導のもと、自分でデザインした工芸品を作成できます。

たとえば、染物体験ツアーの場合、どのような歴史がある工芸なのか、どのような作品が造られているのか、などが説明された上で作業開始となります。 作りたいものやデザインを決めた後、職人の作業を真似しながらゆっくりと作業進めていき、風呂敷程度の大きさであれば大体1時間くらいで作品が完成します。

完成したオリジナル作品はお持ち帰りできるため、思い出が詰まった良いお土産となるでしょう。

ツアーによっては、職人や参加者同士で和気あいあいとコミュニケーションをとることもできるため、新鮮で刺激のあるひと時を楽しめるのが体験ツアーの魅力でもあります!


体験ツアーは手ぶらでも参加できる!
体験ツアーは、一般的に専用道具が揃った工房やショップで行わるため、参加者は手ぶらで気軽に参加できます。 ただし、陶芸や染物などはエプロンを着用しても服が汚れる可能性があるため、汚れても良い服で参加するのがオススメです!


体験ツアーはスマホから簡単に申込できる!
旅行会社が企画する体験ツアーであれば、Webサイトからスマホ一つで簡単に申込できます。

  1. 旅行会社のWebサイトで気になる体験ツアーを探す
  2. 参加した体験ツアーのページから予約リクエストをする
  3. 料金を支払って予約を完了させる
  4. 各種案内を読み、当日集合場所に行く
体験ツアーは予めプランが決められているため、集合場所に行くだけで後はガイドが丁寧に案内してくれます。 半日プランなら早くて所要時間は1時間半〜2時間となるため、旅行中のスキマ時間を埋めたい場合にもオススメです。

金工などの体験ツアーでは、6時間以上たっぷり伝統工芸を体験できるツアーもありますので、気になる方は旅行会社のポータルサイトなどでチェックしてみましょう。


リーズナブルな料金で伝統工芸を体験できる!
伝統工芸体験は、種類や体験時間によって料金が異なりますが、2,000円〜5,000円くらいのリーズナブルな料金で楽しむことができます。 半日プランなら5,000円以下で収まることが多く、6時間以上のプランや原材料が高い工芸になると10,000円を超えるケースもあります。

小さなお子さんから高齢の方まで楽しめるツアーもたくさんあり、一人で参加しても家族と参加しても充実したひと時を過ごせるでしょう。

ガイドの顔が事前に分かる旅行会社のツアーがオススメ!

体験ツアーを丁寧に案内してくれるガイドは、ツアーの満足度の大きく関わってきます。

満足度の高い体験ツアーをしたいという人は、ガイドの顔や性格、経歴などが事前に分かる旅行会社のWebサイトから選ぶのがオススメです! 経験豊富なガイドが同行するツアーを選べるため、何かあった時に頼れるという安心感が増し、当日リラックスした気持ちでツアーを満喫できます。 伝統工芸に関する知識の深いガイドであれば、より歴史を深堀りした説明を受けることもできますので、他とは違った満足度を得られるでしょう。

旅行会社を選定する場合は、ガイドの顔が掲載されており、尚且、プロフィール情報が充実しているかどうかをチェックしてみてください。

まとめ

私たちが生まれる前から全国各地に根付いていた伝統工芸は、日本の文化と歴史を象徴する「宝」です。 経済産業大臣によって認められた伝統的工芸品は、今や236種類を超え、食器・家具・建造物・生活用品などとても身近なものとして使われています。

歴史ある工房や職人の技術を「見たい」「体験したい」という人は、旅行会社が企画する体験ツアーに参加してみましょう! 体験ツアーなら、経験豊富なガイドが丁寧にエスコートしてくれるため、手軽に伝統工芸体験を満喫できます。

ツアーを企画する旅行会社選びに悩んだ場合は、ガイドの顔が事前に分かる信頼性の高いポータルサイトを選び、お気に入りの体験ツアーを探してみましょう!

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