私は、25歳の時に、病院の調理師から転職しました。
父が祖父母の介護をしながら仕事をしていたので「このままでは父が倒れてしまう!」と思ったことがきっかけです。
父は反対でしたが、とにかく父を助けたかった。
安定した仕事からの転職は勇気がいりましたが、もともと物づくりが好きだったので抵抗はなかったです。
絵付けから始めて、次に骨組みを覚えました。
和紙を貼る時に霧吹きで湿らせるのですが、力を入れすぎると薄くなるので加減が難しい。
父には『感覚やで体で覚えるしかないわ』と言われました。
父は『まりやは物づくりが好きで素直だから、教えやすい。素直であることは人間として一番大事だ』と言ってくれます。
提灯製造は分業制が多いのですが、いとやは一貫製造です。
そのため覚える仕事も多く、父のすごさを実感しました。
提灯職人になり10年以上が経ちますが、一度も喧嘩したことがありません。父にアドバイスをもらいながら提灯づくりに励んでいます。
私がいとやに入ったころ、経営上は窮地に立たされていました。
けれども、父と娘で力を合わせ、いとやを守り抜きました、だからこそ今があります。
父は自分で『働きバチだった』と振り返りますが、『正直者はぶれない』という信念で無我夢中で働く父の姿を見てきたので、親子、師弟関係以上の絆があります。
神社仏閣の提灯製造も大切にしながら、これからは新しいニーズにも応えていきたいです。
以前は提灯づくりしか考えていませんでしたが、子供が生まれたことで提灯づくりをどう次世代につなげていくかを考えるようになりました。
2018年、提灯製造の技術を生かした照明インテリアを制作しました。
設計デザインをもとに一枚ずつ形の違う木型に和紙を貼り花びらに見立てて作り上げる、難易度の高いものでした。
半年かけて完成した照明は、私の集大成となりました。
試行錯誤を重ねましたが、初めて造形の世界に携わったことでスキルアップできました。
未知の世界への挑戦はステップアップのチャンスですし、提灯の可能性も広がります。
難しいことでも頑張ればできるし、諦めたらそこで終わり。
諦めなければ解決できるはず。いろいろなオーダーに応えながら、これからも提灯の新しい可能性を切り開いていきたいです。
所属企業団体等 |
三国提灯 いとや工房 |
所属先紹介 |
【 いとやの歴史 】 |
交通アクセス |
① お車でお越しの方は、北陸自動車道 福井北ICから約40分となります。 |
所在地 |
福井県坂井市三国町北本町4丁目4-46 蔵2階 |
営業時間 |
提灯体験工房:11:00〜16:00(水曜 定休) |